ムギワラギク(読み)むぎわらぎく(英語表記)straw flower

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムギワラギク」の意味・わかりやすい解説

ムギワラギク
むぎわらぎく / 麦藁菊
straw flower
[学] Helichrysum bracteatum Willd.

キク科(APG分類:キク科)の不耐寒性多年草であるが、通常一年草または越年草として取り扱う。園芸上は属名のヘリクリサムの名でよばれることが多い。また、俗にカイザイクということがあるが、真正のカイザイクは、同じくキク科の別種Ammobium alatum R.Br.である。茎は堅くて直立し、高さ60~80センチメートル、下部から分枝する。葉は互生し、披針(ひしん)形。茎頂に径3~5センチメートルで光沢のある麦藁(むぎわら)細工のような頭状花を開く。総包片は黄、白、赤茶、橙黄(とうこう)、桃色などがあり、中心の小さな管状花は黄色である。オーストラリア原産。花壇、切り花、ドライ・フラワーとして多く利用される。

 ヘリクリサム属は約500種あり、薬効のある種もある。繁殖は実生(みしょう)により、3~4月に播種(はしゅ)し、4~10月に開花する。日当り排水のよい場所を好む。ドライ・フラワーにするときは、満開にならないうちに刈り取り、日陰逆さにつるしておく。

[籾山秀之 2022年4月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムギワラギク」の意味・わかりやすい解説

ムギワラギク(麦藁菊)
ムギワラギク
Helichrysum bracteatum; strawflower

キク科の多年草。オーストラリア原産で,観賞用として栽培される。茎は高さ 60~80cmで直立し,上部で分枝する。葉は長さ数 cmの披針形全縁で互生する。初夏から秋にかけて,枝の先端に頭状花を1つずつつける。この属の特徴として頭花を包む総包が顕著に発達し,乾燥した質感で黄,黄赤,淡紅,白色などに色づく。英名の strawも和名のムギワラもこの総包の質感を表わした名である。このためカイザイク (貝細工)などとともにドライフラワーとして装飾に用いられるので有名である。

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