カフジ油田(読み)かふじゆでん(英語表記)Khafgi Oil Field

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カフジ油田」の意味・わかりやすい解説

カフジ油田
かふじゆでん
Khafgi Oil Field

クウェートサウジアラビアと旧中立地帯の沖合いにある、ペルシア湾海底油田。世界第4位の大油田であるカフジ・サファニア油田の北側をいい、日本のアラビア石油が開発、生産している。1957年にサウジアラビア政府より、翌年クウェート政府より許可が与えられ、60年に開発が成功した。98年度末までの累計で4億2093万キロリットルの原油が日本へ輸出された。しかし、アラビア石油は2000年2月を期限とするサウジアラビア側との石油利権更新交渉に失敗、同年2月28日、サウジアラビアに対する自主開発油田の採掘権失効した。この結果、日量約30万バレルのカフジ油田権益の半分がサウジアラビアに接収されることになった。また、03年にはクウェート側の採掘権も失効。ただし、クウェートとは2023年までの原油売買契約が結ばれている。

[田中正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カフジ油田」の意味・わかりやすい解説

カフジ油田
カフジゆでん
Khafji oil field

サウジアラビアとクウェートの分割地帯に位置する海底油田。1960年に日本のアラビア石油によって発見され,1961年に生産開始した。産油量は 1979年の日量 40万バーレル台を記録後減退しており,油層の圧力維持のため,水圧入が行なわれている。アラビア石油の採掘権は,2000年にサウジアラビア,2003年にクウェートで失効,サウジアラムコとクウェート国営石油会社が,それぞれ子会社を通じて操業を行なっている。アラビア石油はクウェート国営石油会社との契約に基づき技術提供している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android