海岸から海へ広がる比較的水深の浅い傾斜の緩やかな大陸棚に埋蔵されている油田。海底油田の埋蔵量は世界の炭化水素の埋蔵量の5分の1以上と推定されている。1982年の世界の原油生産量の25.2%は海底油田から産出した。1890年代初期アメリカのカリフォルニア海岸で海岸から桟橋を設けて掘削を行ったのが海底油田開発の最初である。1947年ルイジアナ沖で陸地の見えない水深6メートルの海上で世界最初の鋼鉄製プラットフォームが建設された。その後、深い海へ油田探査が進み、1976年にはカリフォルニア沖で水深259メートル、77年にはアメリカのメキシコ湾岸で水深313メートルの地点で海底油田の開発が行われ、原油を生産している。
大規模な開発は北海で実施されている。1960年代北海の南部でガス田が発見されたのが契機となり、探査は北に進み、それぞれイギリスとノルウェーが開発権利をもつフォーティーズ油田やエコフィスク油田などの大油田が開発された。海底油田開発は世界中の海で行われており、カナダの北極海やニューファンドランド島沖、アメリカのメキシコ湾やカリフォルニア沖、ペルシア湾、エジプト、インドネシア、オーストラリア、中国などの沖合いで油田が発見されている。日本では1959年(昭和34)秋田県土崎(つちざき)沖油田の開発以来、探査開発が実施されており、97年(平成9)現在、新潟県の阿賀沖油田、岩船沖油田、福島県の磐城沖油田で原油、天然ガスを生産している。また日本の石油開発会社は中東をはじめ世界各地で海底油田開発に従事し成果をあげている。
[田中正三]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…具体的には,第2次大戦末期に中東の海底に大量の石油資源が発見されたため,埋蔵量は急激に増加した。以後,中東ばかりでなく,メキシコ湾,北海等多くの地域で海底油田が発見されている。こうした成果は,水中に掘削管を下ろして,海底の石油を探し,かつ採取する技術が完成したためといえるが,併せて,石油が地下にどのようにして集積するかということに関する地質学の発展によるところも大きい。…
※「海底油田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新