カプラン水車(読み)かぷらんすいしゃ(英語表記)Kaplan turbine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カプラン水車」の意味・わかりやすい解説

カプラン水車
かぷらんすいしゃ
Kaplan turbine

オーストリアのブリューン大学教授カプランViktor Kaplan(1876―1934)が1912年に考案した可動羽根式のプロペラ水車軸流水車)である。水量が変わると羽根車への水流の流入方向が変化するが、羽根のボスへの取付け部分を回転させることができるようになっていて、流入方向の変化に応じて羽根は自動的に適当な傾きに調節される。そのため固定羽根式のものに比べて効率よく運転できる特徴があり、大型のプロペラ水車はほとんどこの形式となっている。羽根の傾き角の調節装置はボス内に収められており、調速機からの指令により油圧機構を用いて、案内羽根の開度と連動して羽根の取付け軸を回転させるようになっている。

池尾 茂]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カプラン水車」の意味・わかりやすい解説

カプラン水車
カプランすいしゃ
Kaplan turbine

プロペラ水車一つ。低落差領域において,固定翼プロペラ水車の欠点である部分負荷における効率の低下を改善したもので,水量に従って羽根の傾きを変化できるようになっている。性能がよいので,80m程度の落差にまで用いられるようになっている。オーストリア人 V.カプランが発明した。

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