カラムクロマトグラフィー(読み)からむくろまとぐらふぃー(英語表記)column chromatography

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カラムクロマトグラフィー
からむくろまとぐらふぃー
column chromatography

クロマトグラフィー分離操作上の形式から分類した1種。吸着剤その他として適当な物質を固定相としてガラス管のような管に詰め、管の一端に少量の混合物試料を導入し、次に適当な移動相(気体または液体)をこれに連続的に流し、両相への物質中の各成分吸着性、溶解性、揮発性、イオン交換能などの性質の差によって混合物の分離あるいは定性、定量などを行う方法である。これに使う管をクロマトカラムまたは単にカラムとよび、カラムを使用するクロマトグラフィーをカラムクロマトグラフィーという。固定相となる充填(じゅうてん)剤としては、吸着、分配、イオン交換、ゲル濾過(ろか)用の各充填剤のすべてが利用されている。混合物試料からの純粋物質の分取や精製目的などにも広く利用されている。

[高田健夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

カラムクロマトグラフィー
column chromatography

クロマトグラフィーの1つ。普通は固定相として固体吸着剤を管に詰め,その管を垂直に立て,上部に試料を吸着させ,次いで適当な溶媒を上部から流下させて混合物を各成分に分離する。吸着帯の部分を切取って目的とする成分を溶出するか,分離した吸着帯をさらに適当な溶媒で展開し続けて,必要とする成分をカラムから溶出させて分取することもできる。また,溶出される各成分を連続的に検出定量することも可能である。この場合は液体クロマトグラフィーと呼ばれることが多い。固定相としてはアルミナ,シリカゲル,イオン交換樹脂など目的に応じて種々の吸着剤が使われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android