改訂新版 世界大百科事典 「カルロス4世」の意味・わかりやすい解説
カルロス[4世]
Carlos Ⅳ
生没年:1748-1819
スペイン王。在位1788-1808年。カルロス3世の第2子。ナポリに生まれ,1765年パルマ公の娘マリア・ルイサと結婚。フランス革命期の混乱したスペインの国内をまとめる能力に欠け,寵臣に国政を任せた。なかでも王妃の愛人といわれるゴドイを重用し,宰相とした。ゴヤの大作《カルロス4世の家族》に,個性のない国王の姿が描き出されている。1805年のトラファルガー海戦で全艦隊を失い,07年のナポレオン軍のイベリア半島侵入を許す密約で国民の怒りを買い,08年3月王子フェルナンド(のちの7世)によるアランフエスの暴動で王子に位を譲った。のち,バイヨンヌでナポレオンの干渉のもとに王位を取り戻すが,直ちにナポレオンに譲り,自らはフランス,イタリアへ亡命,客死した。
執筆者:宮川 智恵子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報