アランフェス(その他表記)Aranjuez

デジタル大辞泉 「アランフェス」の意味・読み・例文・類語

アランフェス(Aranjuez)

スペインの首都マドリードの南約40キロメートル、タホ川のほとりにある町。15世紀以降は王室避暑地として発展し、16世紀半ばには王宮建設が始められた。王宮と、タホ川に沿って広がる広大な庭園は、2001年に「アランフェスの文化的景観」として世界遺産文化遺産)に登録された。

アランフエス(Aranjuez)

アランフェス

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改訂新版 世界大百科事典 「アランフェス」の意味・わかりやすい解説

アランフエス
Aranjuez

スペイン中央部,マドリード県の町。人口3万1273(1979)。ラ・マンチャへの入口で,タホ川南岸にある。16世紀フェリペ2世時代からの王領地で,トレドとJ.deエレラによって離宮が造られたが,数度の火災のため,完成したのは1778年。タホの水路を利用した付属庭園の中には,新古典様式の〈農夫の家〉がある。1808年,ここに軟禁されていたフェルナンド王子(のちの7世)がアランフエス民衆の反ゴドイ蜂起によって国王に擁立されたため,その父カルロス4世は自ら退位した。
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百科事典マイペディア 「アランフェス」の意味・わかりやすい解説

アランフェス

スペイン中央部にある町。タホ川(テージョ川)のほとりにあるアランフェスは15世紀以来,王室の夏の避暑地として発展してきた。離宮の建設は16世紀半ばに始められ,以来,ベルサイユ宮殿をモデルにした改修などがあり18世紀に完成した。彩色タイルで壁と天井が覆われた陶磁器の間,島の庭園,王子の庭園など美しい景観が広がっている。ロドリーゴ作曲の《アランフェスの協奏曲》で知られる。2001年世界文化遺産に登録。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アランフェス」の意味・わかりやすい解説

アランフエス
あらんふえす
Aranjuez

スペイン中央部、マドリード県の町。人口4万0797(2001)。首都マドリードの南47キロメートル、タホ川左岸に位置する。タホ川の低位段丘面上はよく灌漑(かんがい)され、イチゴアスパラガスが特産品。花壇噴水のあるフランス式庭園をもつかつての王宮(18世紀)があり、この地方における有数の観光地となっている。王宮は現在、博物館。なお、王宮や歴史的建造物と町並みは、2001年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により、「アランフェスの文化的景観」として世界遺産(文化遺産)に登録された。

[田辺 裕・滝沢由美子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アランフェス」の意味・わかりやすい解説

アランフエス
Aranjuez

スペイン中部のマドリード自治州,マドリード県の町。タホ川とハラマ川の合流点に近く,マドリードから南に向かう幹線上にあり,テンサイ,アスパラガス,イチゴの集散地として知られる。化学,金属,食品などの工業が行なわれる。 1808年反ナポレオンの抵抗組織の中枢フンタ (中央議会) が置かれた。タホ川河畔に 16~18世紀の王宮があり,観光地としても有名。 2001年世界遺産の文化遺産に登録。人口3万 6162 (1991推計) 。

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