南アフリカ原産のキク科の多年草または一年草。花が勲章のような感じであるところから,和名はクンショウギクと名付けられた。クンショウギク属Gazaniaには40種ほどが知られているが,園芸的には,ハネバクンショウギクG.pinnata Less(多年生)やクンショウギクG.longiscapa DC.(一年生)などもあるが,近年は交配雑種G.×splendensから改良を重ねた園芸品種が多く栽培される。
根生して茂る葉は細長く灰緑色で,羽状に分裂することもあり,裏面が白い。春から初夏にかけて20cmくらいの茎を伸ばして花をつける。花径5~8cmの一重咲きの頭状花で,夜は閉じる。花色は,改良品種では白,黄,橙,桃,紫桃や橙赤色と多彩で,舌状花の基部や頭花の中心部の筒状花が濃色となるものが多い。八重咲種もある。日本で多く栽培されるガザニアG.×splendensは,G.pavoniaとG.rigensの雑種や,それにG.longiscapaやG.unifloraを交配して作出されたもので,形態はG.unifloraに似ており,長い花茎を出して,その頂に1個の頭状花をつけるものが多い。花壇,鉢物用として観賞される。半耐寒性で,冬はフレームで越冬させる。日当り,排水のよい所を好み,春か秋に種子をまくが,八重咲種は株分けで殖やす。
執筆者:柳 宗民
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
キク科(APG分類:キク科)の半耐寒性の宿根草で、寒地では一年草として扱う。ガザニアは南アフリカに24種分布し、アフリカンデージー(クンショウギク)の名で、よく栽培される。葉は根際から多数出て、披針(ひしん)形であるが羽状葉もあり、表面は濃緑色で裏面は白色。6~9月、径7~8センチメートルの菊状花を次々と開く。花色は黄、乳白、橙(だいだい)、鮮紅色などで、中心に黒褐色の斑(ふ)が入る。曇天や夜間は花は閉じる。本種は多くの種類との交雑によって作出されたもので、近年雑種第一代も発表され、もっとも人気のある品種である。花壇、ロック・ガーデン、鉢植え用とする。日当りがよく腐植質に富み、排水のよい所に株間30センチメートルに植える。寒さに弱いので冬期は防寒する。繁殖は実生(みしょう)では4~5月、発芽適温16℃にし、株分けでは春、秋に2~3芽ずつに分ける。
[籾山秀之 2022年2月18日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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