ガスタービン自動車(読み)がすたーびんじどうしゃ(英語表記)gas turbine powered automobile

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガスタービン自動車」の意味・わかりやすい解説

ガスタービン自動車
がすたーびんじどうしゃ
gas turbine powered automobile

ガソリンエンジンディーゼルエンジンではなく、ガスタービンエンジンを原動機とする自動車。第二次世界大戦中から戦後にかけて急速に発達したジェットエンジン、なかでも回転力を取り出すターボプロップエンジンに触発されて、世界の主要メーカーが研究、試作を行ったが、今日に至るまで実用化されていない。

 熱効率が高い、燃料を選ばない、トルク特性が自動車に向く、振動が少ないなどの特長がある。排気高温高圧であることや、燃料経済性が悪いなどの欠点は、熱交換機の改良で改善が期待できる。しかし最大の問題点は、高温・高圧に耐えるタービンホイールの材質の価格がきわめて高価なことである。したがってよほど廉価な新材料が開発されない限り、個人用乗用車への普及は困難と思われる。ただし大陸横断用の大型トラックやバスのようなものならば、経済性のうえからも普及の可能性はあるといえよう。

[高島鎮雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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