ガフサ(その他表記)Gafsa

デジタル大辞泉 「ガフサ」の意味・読み・例文・類語

ガフサ(Gafsa)

チュニジア中西部の都市。19世紀末より燐鉱石を産し、鉄道輸送拠点として発展周辺農産物集散地。古くは旧石器時代カプサ文化遺跡があるほか、古代ローマ時代の浴場東ローマ帝国時代の砦などが残っている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガフサ」の意味・わかりやすい解説

ガフサ
Gafsa

チュニジア中央西部,ガフサ県の県都。首都チュニス南南西 270km,標高 405mの丘陵地帯に位置する。ガフサ山塊から源を発するメラー川流域にあって,古代ヌミディアの王国時代にはカプサというオアシス町として発展したといわれ,カプサは発掘された石器の型の名称にもなっている。果実類の取引中心地で,10万本以上のヤシの茂るオアシスや,伝統的な織物も有名だが,今日ではリン鉱石の大産地として注目されている。リン鉱石産国チュニジアの生産高の 90%を占めている。リン鉱石は鉄道でスファクス港に運ばれ,輸出される。人口5万 8773 (1989推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガフサ」の意味・わかりやすい解説

ガフサ
がふさ
Gafsa

北アフリカ、チュニジア中西部の都市(古名カプサ)。アルジェリアに接するドルサル山脈南麓(なんろく)のオアシスに位置する。人口7万1100(1994)。豊富な湧水(ゆうすい)があり、オリーブが栽培される。メトラウィなど西方山地から燐(りん)鉱石が産出され、鉱石輸送鉄道の結節点として発展した。内陸交通の要所で、果実綿花など農産物の集散地でもある。チュニスと結ぶ空港がある。ローマ時代の浴場跡、モスクカスバが有名で、付近では旧・中石器時代のカプサ文化の出土品が多い。

[藤井宏志]

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世界大百科事典(旧版)内のガフサの言及

【カプサ文化】より

…更新世の終りごろ,それまで北アフリカに広く分布していた後期旧石器時代のアテール文化につづいておこり,ヨーロッパの中石器文化とは別の発展をした。チュニジア南部の町ガフサGafsaの近くにあるエル・メクタ遺跡が代表とされ,ガフサがローマ時代にカプサCapsaと呼ばれたのにちなんで名づけられた。遺跡は岩陰や洞穴にもあるが,野外に発見されることが多く,貝塚,キャンプ遺跡,石組み炉跡遺跡が特徴的である。…

※「ガフサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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