がん検診(読み)がんけんしん

共同通信ニュース用語解説 「がん検診」の解説

がん検診

がんと診断されていない人を対象に、がんの疑いの有無を調べる検査。疑いがあれば精密検査で確定させる。市区町村住民死亡率を下げるため公費を出して提供する「対策型」と、人間ドックなど個人がリスクを下げるために受ける「任意型」に分けられる。対策型は特に、死亡者の多いがんを早期治療して亡くなる人を減らすこと、不利益ができるだけ小さい手法で行うことを重視。国の指針大腸便潜血検査、胃のエックス線や内視鏡検査などを推奨している。ただし指針に強制力はない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「がん検診」の意味・わかりやすい解説

がん検診
がんけんしん

がんによる死亡率または死亡リスクを低下させることを目的に行われる検診総称。日本におけるがん検診は、住民検診や職域検診として地方自治体あるいは職場で行われる「対策型検診」と、人間ドックなど医療機関で希望者に対して行われる「任意型検診」に大別される。

 対策型検診は、対象集団のがんによる死亡率を下げることを目的とし、公共的な予防対策として公費負担あるいは補助のもとで行われている。がん検診として行われているのは、胃、肺、大腸、乳、子宮頸(けい)がんの五つの種類である(2017年時点)。一方、任意型検診は個人的に自分の死亡リスクを下げるために受診するものであり、費用は原則として全額自己負担となる。

 2007年(平成19)4月に、がん対策を総合的かつ計画的に推進することを目的として「がん対策基本法」(平成18年法律第98号)が施行されたことを受け、あわせて「がん対策推進基本計画」が閣議決定された。2017年に策定された3期目のがん対策推進基本計画において、がんの早期発見およびがん検診に向けた個別目標として、がん検診の受診率を50%にすること、またすべての市町村において、精度管理・事業評価が実施されるとともに、科学的根拠に基づくがん検診が実施されることが掲げられた。また、重点的に取り組むべき課題の一つとして、職域におけるがん検診の実態把握と科学的根拠に基づくがん検診の実施が追加された。

[渡邊清高 2018年1月19日]

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