キシュファルディ(読み)きしゅふぁるでぃ(英語表記)Kisfaludy Károly

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キシュファルディ」の意味・わかりやすい解説

キシュファルディ
Kisfaludy Károly

[生]1788.2.5. テト
[没]1830.11.21. ペスト
ハンガリー劇作家,小説家。貴族の家に生れ,父親の願いで軍人となったが,画家を志して軍隊を去ったため勘当され,ヨーロッパ諸国を放浪。 1817年帰国してのち劇作家として成功史劇『ハンガリーのタタール人』A Tatárok Magyarországon (1811上演,19刊) は当時の民族主義的な風潮のなかで好評を得た。社会風刺的な喜劇『求婚者たち』A kérök (17) ,『失望』 Csalódások (28) を通じて貴族層の時代錯誤的な生活を批判。 21年より (創刊号は 22年度版) 文芸年鑑『アウロラ』 Auroraを主宰して,ロマン派文学の推進に大きな役割を果した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キシュファルディ」の意味・わかりやすい解説

キシュファルディ
きしゅふぁるでぃ
Kisfaludy Károly
(1788―1830)

ハンガリーの劇作家。初め絵画を学んだが、史劇『ハンガリーのタタール人』(1819)、喜劇『求婚者たち』(1819)の成功により劇作に専念する。人物の特徴をつかんだ会話の巧みさと素朴な民族主義が、当時の国民感情によく受け入れられた。彼の主宰した文芸年鑑『アウロラ』(1822~37)は文学活動の推進力となり、没後、10人の友人により創設されたキシュファルディ協会(1836~1952)は19世紀ハンガリー文壇に貢献した。

[岩崎悦子]

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