ベロペロネ
Beloperone guttata Brandegee
キツネノマゴ科の低木で,温室植物として扱われる。メキシコ原産。和名はコエビソウで,英名shrimp-plantを訳したもの。高さ50~70cm。基部よりよく分枝して茂り,葉は長さ約5cmの卵形で対生する。茎頂に球果状の穂状花序をつけ,苞は赤褐色を呈し,花穂先端がやや下方に湾曲する。花は白色の細長い唇状花で,花期は冬から春。その花穂の形がエビに似るところから,和名がある。多くは冬~春咲きであるが,本来は四季咲性で温室内では周年開花する。あまり多く栽培されていないが,温室鉢物として扱われる。繁殖は挿木により,9~10月に行われることが多い。冬季は5℃以上保てれば越冬をする。植えかえは花が終わった5~6月に行うのがよい。もっぱら鉢物として,その風変りな花を楽しむほか,ときに切花にもされる。
執筆者:柳 宗民
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ベロペロネ
べろぺろね
shrimp-plant
[学] Justicia brandegeeana Wassh. et L.B.Sm.
Beloperone guttata Brandegee
キツネノマゴ科(APG分類:キツネノマゴ科)の常緑低木。英名を訳してコエビソウ(小海老草)ともいう。メキシコ原産。鉢植えでは高さ30~60センチメートルであるが、温室内に地植えすると半つる性となって3メートル以上に伸び、基部から多数分枝する。茎は節間が長い。葉は対生し、卵形で長さ3~7センチメートル、先はとがる。穂状花序は長さ5~10センチメートル、心臓形で赤褐色の包葉が重なり合い、美しい。花冠は細長く長さ約3センチメートル、包葉の外に長く突き出て上下2唇弁に分かれ、白色で下唇弁に紫色の斑点(はんてん)がある。雄しべは2本。萼(がく)は白色で5裂する。四季咲き性であるが、春によく開花する。一般に鉢植えとするが、切り花にも用いる。花壇植えは5~10月が適期である。繁殖は通常挿芽により、用土は壌土3、腐葉土1、川砂1の割合にする。
[山口美智子 2021年10月20日]
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ベロペロネ
Beloperone; shrimp flower
キツネノマゴ科の常緑低木または亜低木の1属で,熱帯アメリカに約 30種あり観賞用として栽培される。葉は全縁で花は赤色または紫色で美しい。日本で栽培されるものはコエビソウ B. guttataの1種だけである。これはシュリンプフラワーといわれ,メキシコ原産,茎は 60cmぐらいになり,冬から春に赤褐色の花をつける。花は穂状につき,包葉が密に並んで花穂全体がやや湾曲し,包葉の間から順次花冠とおしべが飛出す。和名も英名もこの様子を小エビに見立てたものである。
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