日本大百科全書(ニッポニカ) 「キュストナー」の意味・わかりやすい解説
キュストナー
きゅすとなー
Karl Friedrich Küstner
(1856―1936)
ドイツの天文学者。ゲールリヒ生まれ。1882年ハンブルク天文台、1884年ベルリン天文台の技師を歴任し、1891年にボン天文台長に就任。1884~1885年経緯儀による光行差を観測し、その定数に系統的変化があることを発見した。1888年、その原因が地球の極運動に基づくことを公表したが、これは緯度変化に関するオイラーの理論的予測の実証であった。この発見は1年後に各地の天文台で確認された。台長時代に恒星の子午線観測を推進して、1908年と1916年、再度にわたり二つの恒星表を出版。また恒星の視線速度を観測し、それにより太陽の視差を求めた。
[島村福太郎]