キュニョー(読み)きゅにょー(その他表記)Nicolas Joseph Cugnot

デジタル大辞泉 「キュニョー」の意味・読み・例文・類語

キュニョー(Nicolas Joseph Cugnot)

[1725~1804]フランス軍人技術者。1769年、世界初の蒸気自動車を製作した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キュニョー」の意味・わかりやすい解説

キュニョー
きゅにょー
Nicolas Joseph Cugnot
(1725―1804)

フランスの軍事技術者。ムースで生まれ、パリで没す。陸軍で工兵士官を務め、新しい施条銃発明した。最大の業績は世界最初の蒸気自動車を完成させたことである。1769年、ニューコメン式大気圧機関を利用し、ピストンの往復運動を回転運動に変える方法を考え、前輪1個、後輪2個の三輪車で、前輪の真上にシリンダー2個が置かれ、その前にさらに大きな蒸気釜(がま)をつけた大砲運搬用自動車「ファルディエ」をつくった。この自動車は4人を乗せて時速4キロメートルで走ったが、15分ごとに蒸気釜に水を供給しなければならず、試走中に暴走し兵器庫に激突して壊れた。翌1770年製作の2台目がナポレオンの目にとまり、1801年からパリの国立工芸博物館に保存され今日に及んでいる。

[雀部 晶]

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改訂新版 世界大百科事典 「キュニョー」の意味・わかりやすい解説

キュニョー
Nicolas Joseph Cugnot
生没年:1725-1804

フランスの軍事技術者。マリア・テレジア軍隊で工兵士官をつとめ,1763年ころ退役。69年ニューコメン式の大気圧機関にシリンダー2個をつけ,さらに鎖でピストン軸に連結されたつめとつめ車でピストンの直線運動を回転運動に変換,これを用いて世界最初の蒸気自動車を完成した。これは前輪駆動の三輪車で,4人を乗せて時速4kmの速さで走ったが,蒸気釜の製作が悪く15分ごとに水を補給せねばならなかった。70年にはフランス政府の注文で大砲牽引(けんいん)用として2万ルーブルを投じ大型の2台目を製作したが,公式に実験されることはなかった(フランスに現存)。銃をはじめとする軍事技術の発明もあり,また軍事技術に関する著作も残している。
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百科事典マイペディア 「キュニョー」の意味・わかりやすい解説

キュニョー

フランスの技術者。マリア・テレジアの軍隊で陸軍技師を務めた後,1763年ごろ帰国して新式銃や自動車の研究着手,1769年世界最初の蒸気自動車を完成させた。後年ナポレオンに仕え,築城の著述もある。
→関連項目自動車

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世界大百科事典(旧版)内のキュニョーの言及

【自動車】より

…もちろんこれらは図面や模型にとどまり,近代の自動車の定義に沿うもので,かつ実際に人が乗って走る車両を対象にすると,18世紀に入ってからの蒸気自動車が自動車の始まりということになる。
[実用化の時代]
 1769年フランスのN.J.キュニョーは,砲車を運ぶ蒸気三輪自動車を製作し,人が操って走ることに初めて成功した。人工の動力を使って走る人類初の乗物は,蒸気機関車ではなくこの蒸気自動車であった。…

※「キュニョー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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