三輪車(読み)さんりんしゃ

精選版 日本国語大辞典 「三輪車」の意味・読み・例文・類語

さんりん‐しゃ【三輪車】

〘名〙
① 三つの車輪のついた自転車
(イ) 明治初期に多く乗られた三輪の自転車。
※武江年表続編(1878)明治三年六月一五日「三輪車といへるは芝の会社より出て、便利よしといふ」
(ロ) 後部または側面客席を設けた営業用の三車輪の自転車。輪タク
※赤い国の旅人(1955)〈火野葦平〉四月三〇日「同仁病院の角に屯(たむろ)している三輪車を見つけて、天安門までいくらだときくと」
(ハ) 子供用の小型のものをいう。
業苦(1928)〈嘉村礒多〉「二三人の子供が三輪車に乗って遊んでゐた」
② 車輪が前部に一つ、後部に二つついていて、おもに荷物運搬などに用いる車。オート三輪
階級(1967)〈井上光晴〉一「三輪車を運転中軽い事故を起こしてしまった」

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デジタル大辞泉 「三輪車」の意味・読み・例文・類語

さんりん‐しゃ【三輪車】

車輪が三つある車。子供の乗り物や、荷物の運搬などに用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三輪車」の意味・わかりやすい解説

三輪車
さんりんしゃ

幼児用乗り物の一種。大きめの前輪一つと、小さめの後輪二つからなり、前後輪の中間サドル、前輪車軸に直結するクランクペダルがつき、これを足で踏んで駆動させ、これも直結した前輪上のハンドル方向をとる。主として鉄製であるが、軽合金、プラスチック製のものも増えている。日本では、1887年(明治20)ごろ、自転車を模倣してつくられた。

 三輪車は、子供たちがつねに抱く、冒険したい、くふうしたい、見せびらかしたい心や、運転するという誇りと自尊心を満足させる、などの特性をもつ遊具である。一般には、1歳半ごろから与えることが多いが、4~5歳ごろまで幼児期の長期間にわたって、遊具としての価値をもち続けさせることが可能といってよい。その子供の興味は、さらに自転車へと移行していくものであるが、三輪車はその橋渡しの役も果たしている。

[山崖俊子]

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