キリノ(読み)きりの(英語表記)Elpidio Quirino

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キリノ」の意味・わかりやすい解説

キリノ
きりの
Elpidio Quirino
(1890―1956)

フィリピンの政治家。1915年フィリピン大学卒業、弁護士試験合格。1919年下院議員、1925年上院議員に当選。1935年以後のフィリピン連邦下で財務長官、内務長官を歴任。1943~1945年の日本軍政期に抗日運動を指導。1946年独立とともに副大統領就任、1948年ロハス大統領急死で大統領に昇格、リベラル党党首となる。親米・反共路線で経済再建を目ざしたが、1949年の反共太平洋同盟提案、対フク団(抗日人民軍=フクバラハップ略称。のちに人民解放軍改称)和平交渉のいずれにも失敗、かえって親米路線を批判されるに至った。1953年の大統領選挙で、国防長官としてフク団鎮圧の実績をあげたナショナリスタ党マグサイサイに敗れた。

[黒柳米司]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キリノ」の意味・わかりやすい解説

キリノ
Quirino, Elpidio

[生]1890.11.16. ビガン
[没]1956.2.28. ノバリチェス
フィリピンの政治家。 1915年フィリピン大学卒業後,法曹界に入った。 19~25年フィリピン議会下院議員,25~31年同上院議員。 34年フィリピン連邦の成立に伴い,連邦政府の蔵相内相をつとめた。 46年自由党の M.ロハス大統領のもとで副大統領,48年同大統領急死によって大統領に就任,国内の共産系ゲリラ「フク団」の制圧に力を注いだ。 49年 11月の選挙で国民党を破って再任され,フィリピンの親米反共路線を確立した。

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