きりん座(読み)きりんざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「きりん座」の意味・わかりやすい解説

きりん座
きりんざ / 麒麟座

北極星ぎょしゃ座中間にある星座で、一年中見ることができるが、宵の見ごろは秋から冬にかけてとなる。17世紀のドイツの天文学者ヘベリウス星図に登場する新設星座だが、実際にはヤコブス・バルチウスJacobus Bartschius(1600?―1633)が発表したのが最初とされている。ただし、バルチウスが考えたのはラクダキリンではなかったという。しかし、バルチウスの星図にはアフリカ草原にすむ頸(くび)の長いキリンの姿が描かれているので、最初からキリンの姿をイメージしてつくられたというのが本当のところらしい。面積の大きいわりに、明るい星のない、みつけにくい星座である。

[藤井 旭]

『藤井旭著『冬の星座』(1988・金の星社)』『藤井旭著『星座大全――冬の星座』(2003・作品社)』


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改訂新版 世界大百科事典 「きりん座」の意味・わかりやすい解説

きりん(麒麟)座 (きりんざ)
Camelopardalis

略号はCam。北極に近い周極星座。北極星とぎょしゃ座の間の広い天域を占めるが輝星はない。17世紀の初めにバルチウスの出版した星図に初めて現れた。これは首の長い動物ジラフを意味する。散開星団NGC1502,渦巻銀河NGC2403などがある。概略位置は赤経5h40m,赤緯+70°。午後8時の南中は2月上旬である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「きりん座」の意味・わかりやすい解説

きりん座
きりんざ
Camelopardalis

麒麟座。概略位置は赤経 5時40分,赤緯 70°。周極(天の北極付近)の星座。2月中旬に南中する。輝星に乏しく星座の形は不明瞭。散開星団 NGC1502,渦状銀河 NGC2403を含む。

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百科事典マイペディア 「きりん座」の意味・わかりやすい解説

きりん(麒麟)座【きりんざ】

北天の周極星座の一つ。明るい恒星がなく目だたない。夕方南中は2月上旬。

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