クインケ浮腫(読み)クインケフシュ(その他表記)Quincke's edema

改訂新版 世界大百科事典 「クインケ浮腫」の意味・わかりやすい解説

クインケ浮腫 (クインケふしゅ)
Quincke's edema

血管神経性浮腫angioneurotic edemaともいう。1882年にドイツの内科医クビンケHeinrich I.Quincke(1842-1922)が初めて記録した病気で,浮腫が真皮の下層から皮下組織に生じるもの。突然,眼の周囲や口唇陰茎などがはれてむくみ,数時間~数日続く。色は変わらないことが多いが,多少赤みをおびたり,白っぽく見えることもある。蕁麻疹(じんましん)ほどかゆくはない。子どもに起こりやすく,腎炎による浮腫と区別することが大切である。症状の動きが早いのが特徴で,刻々と変わっていく。粘膜に同様の変化が起こると,呼吸困難,嗄声(させい)(しわがれ声),腹痛,下痢となる。原因は,血管運動神経が局部的に興奮し,毛細血管透過性が増して,組織に漏出液が出ることによって起こり,蕁麻疹と同様で,薬物や食品などによるアレルギー性のものと非アレルギー性のものとがある。また,まれに遺伝性のものがあり,常染色体性優性遺伝の形をとる。治療は蕁麻疹と同じく抗ヒスタミン剤が中心となるが,副腎皮質ステロイドが必要となる場合もある。重い呼吸困難には気管切開が必要となる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クインケ浮腫」の意味・わかりやすい解説

クインケ浮腫
クインケふしゅ
Quincke's edema

血管神経性浮腫。ドイツの医師 H.I.クインケにより初めて記載されたのでこの名がある。皮膚の毛細血管の透過性が高まり,急に浮腫を起すもの。頭痛倦怠感食欲不振などの症状に続いて,皮膚に青白い境界のはっきりしない,手のひら大あるいはそれ以上の広範囲にわたる浮腫が現れる。自覚症状は軽いかゆみとほてりで,数分ないし数時間,長いときでも2~3日で消え,時間をおいてまた現れる。特にまぶた,頬,口唇など顔面に多くみられる。小児期から壮年期に好発する。原因は不明であるが,抗ヒスタミン剤,副腎皮質ホルモン剤で軽快する。

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