クインケ(その他表記)Quincke, Heinrich Irenäeus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クインケ」の意味・わかりやすい解説

クインケ
Quincke, Heinrich Irenäeus

[生]1842.8.26. フランクフルトアンデルオーデル
[没]1922.5.19. フランクフルトアムマイン
ドイツの内科医。 1863年ベルリン大学卒業。 68年にクインケ徴候を記載。これは大動脈弁閉鎖不全症にみられる毛細管拍動をさすが,現在では亜毛細管性の動静脈叢の拍動によるものだといわれている。さらに 82年には血管神経性浮腫 (クインケ浮腫 ) に関する論文により広く注目を集めた。また 91年に腰椎穿刺法を案出し,生きた人間から初めて脳脊髄液を取出した。これは脊髄液の圧力測定したり,髄液そのものを取出して調べることもでき,髄膜炎小児麻痺,梅毒,脳腫瘍などの中枢神経系疾患の診断に大きな進歩をもたらした。

クインケ
Quincke, Georg Hermann

[生]1834.11.19. フランクフルトアンデアオーデル
[没]1924.1.13. フランクフルトアムマイン
ドイツの物理学者。ベルリン,ケーニヒスベルクハイデルベルクなどで学び,1858年学位を得た。ベルリン大学私講師 (1865) ,ウュルツブルク大学教授 (72) を経てハイデルベルク大学教授 (75) 。表面張力,光の反射偏光の研究を行なった。 66年音波の干渉を実験する装置 (→クインケ管 ) を考案液体磁化率 (85) ,液体の誘電率 (83~88) の測定を行い,また電気浸透 (61) ,電歪 (80) ,磁歪 (85) の現象を研究した。

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