クラベス(その他表記)claves[スペイン]

関連語 中村 名詞

改訂新版 世界大百科事典 「クラベス」の意味・わかりやすい解説

クラベス
claves[スペイン]

キューバ音楽に使われる拍子木。1個なら〈クラーベ〉だが必ず2個いっしょに使われるので複数形になる。20cmくらいの堅い木の棒で,1本左手に,手のひらを丸くくぼませた上に載せるような形で保ち,右手に持ったもう1本を打ちつける。キューバ音楽では最も基本となる2小節単位のリズム型をこの楽器で打つ。そのリズム型も〈クラーベ〉と呼ぶ。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラベス」の意味・わかりやすい解説

クラベス
くらべす
claves スペイン語

キューバ起源の相互打奏体鳴楽器。拍子木の一種。長さ20~25センチメートル、直径約3センチメートルの2本の堅い円筒形の木の棒からなる。ラテンアメリカの舞踏リズム、とくにルンバにおいて、クラベスの一定のリズム音型が反復的に用いられる。鋭く澄んだ音を得るために、1本を右手の指で軽く持ち、左の手のひらを椀(わん)型に丸めた上にもう1本を置き、軽くたたく。元来ラテンアメリカの舞踏伴奏用楽器であるが、バレーズの打楽器群とサイレンによる室内楽曲『イオニザシオン』、コープランドのバレエ曲『アパラチアの春』など、近代音楽にも取り入れられている。

[山田陽一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

音楽用語ダス 「クラベス」の解説

クラベス[claves]

円筒形の拍子木のような木の棒を打ち合わせる打楽器。左手でクラベを水平に支え、右手のクラベで打ちつけて演奏する。叩くとピッチの高いコンコン音が出るので、リズム・パターンの高域アクセントに向く。アフリカ系のクラベスは水平側の棒がくり抜いてあり音色に柔らかさがある。クラベスで演奏されるリズム(クラーベ)は、多くのキューバ系のラテンアメリカ音楽の基本となっている。

出典 (株)ヤマハミュージックメディア音楽用語ダスについて 情報

百科事典マイペディア 「クラベス」の意味・わかりやすい解説

クラベス

キューバ音楽に使われる相互打奏体鳴楽器。20cmくらいの堅い木の棒で,1本を左の手のひらを丸くくぼませた上に載せるように保ち,右手に持ったもう1本を打ちつける。キューバ音楽では最も基本的な2小節単位のリズムを刻み,そのリズム型はクラーベclaveと呼ばれる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラベス」の意味・わかりやすい解説

クラベス
claves

ラテン音楽に用いられる打楽器。長さ約 20cmの1対の丸い木の棒で,両手に持ってたたき合せる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android