バレーズ(読み)ばれーず(英語表記)Edgard (Edgar) Varèse

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バレーズ」の意味・わかりやすい解説

バレーズ
Varèse, Edgard(Edgar)

[生]1883.12.22. パリ
[没]1965.11.8. ニューヨーク
フランス生れのアメリカの作曲家。自然科学を学んだのちに音楽に転じ,パリで V.ダンディ,A.ルーセル,C.ウィドールらに学んだ。 1907年ベルリンに行き,R.シュトラウスの影響を受けた。 15年に渡米,19年にアメリカ国籍を取得。 21年に国際作曲家組合,26年に汎アメリカ作曲家協会を創設し,現代アメリカ音楽の発展のために活動。電子音楽を最初に手がけた一人で,作品の題に科学用語を使用したものが多い。主作品は,管楽器打楽器の『顕微鏡』 (1922) ,小オーケストラ用の『積分』 (25) ,打楽器,ピアノ,サイレンの『電離』 (31) ,無伴奏フルートの『比重 21.5』 (36) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バレーズ」の意味・わかりやすい解説

バレーズ
ばれーず
Edgard (Edgar) Varèse
(1883―1965)

アメリカの作曲家。フランス出身でパリ生まれ。スコラ・カントルムパリ音楽院に学ぶ。パリ、ベルリンで指揮者として活動したのち、1915年渡米。「国際作曲家組合」を設立するなど現代音楽の発展普及に努め、27年アメリカに帰化した。「組織された音響」という独自の思想により、騒音主義の代表作とされる『イオニザシオン』(1931)をはじめ『密度21.5』(1936)、『砂漠』(1950?~54)、『ポエム・エレクトロニク』(1958)など次々に新しい実験的作品を発表、若い世代のミュージック・コンクレートや電子音楽に大きな影響を与えた。

[益山典子]

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