日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレーン船」の意味・わかりやすい解説
クレーン船
くれーんせん
大型のクレーンを備え、大重量物を専門に運ぶ船。英語でfloating craneすなわち「浮きクレーン」とよぶように、船というより海上を移動できるクレーンというほうがふさわしい。船体は平たい長方形の箱形で、船の長さほどの高さをもつクレーンが装備されている。引き船に引かれて移動する曳航(えいこう)式と、推進機関で航走する自航式がある。港湾の埋立てや建設に際し、防波堤や橋桁(はしげた)の基礎となるケーソン(潜函(せんかん))の運搬、設置に広く用いられている。そのほか、貨物船や建造中の船への大型重量物の積み込み、小型の完成船や修理船の移動、沈没船の移動など各種重量物の吊(つ)り上げ、運搬に使用される。日本には最大3000トンの吊り上げ能力をもつクレーン船がある。
[森田知治]