クロイゲ(読み)くろいげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロイゲ」の意味・わかりやすい解説

クロイゲ
くろいげ
[学] Sageretia thea (Osbeck) M.C.Johnst.

クロウメモドキ科(APG分類:クロウメモドキ科)の半常緑の低木で高さ2メートルに達する。枝は半つる性、灰黒色で刺(とげ)があり、若いときには灰色の毛がある。葉は卵形で長さ1~4センチメートル、質が厚く光沢があり、微細な鋸歯(きょし)があり、互生するが対生のようにみえる。花は黄色で、10月、円錐(えんすい)状花序に多数つく。果実核果で、紅色ののちに黒紫色となり、食べられる。四国、九州、沖縄および中国、インドなどに分布する。クロイゲ属は35種がアジアと北アメリカにあり、日本には本種1種のみ分布する。

[門田裕一 2019年12月13日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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