地方企業やベンチャー企業にとって海外市場開拓はリスクが大きいため、安倍晋三(あべしんぞう)政権の成長戦略に沿って、公的資金を活用して日本独自ソフトやコンテンツを海外へ売り込む目的で発足した。登記社名は株式会社海外需要開拓支援機構。英語名はCool Japan Fund Inc.。本社は東京都港区六本木。出資金は官民あわせて693億円(2018年3月末時点)で、政府出資(財政投融資)が8割強を占め、残りをANAホールディングス、三越伊勢丹(みつこしいせたん)ホールディングス、JTBなど民間企業23社が出資。初代社長が元松屋常務執行役員の太田伸之(おおたのぶゆき)(1953― )、2代目社長は元ソニー・ミュージックエンタテインメント最高経営責任者(CEO)の北川直樹(きたがわなおき)(1953― )。会計検査院の投資損益調査(2017年3月末時点)では投融資が17件、合計310億円あるが、過半が計画通り収益を確保できておらず、回収額と保有株評価額の合計が投融資額を下回って約44億円の損失状態であった。アニメーションの海外配信事業やマレーシアの日本専門店経営からは撤退した。このためクールジャパン機構の設置期間はおおむね20年間であるが、産業革新投資機構を軸にした官民ファンドの集約計画で統廃合の候補にあがっている。