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公的資金 こうてきしきんtaxpayers' money

知恵蔵の解説

公的資金

政府財政資金を指し、政府系金融機関や事業団、地方自治体による融資、出資、助成金などの形で実施される。1990年代後半に深刻化した金融システム危機に対応するために、政府は銀行に公的資金を注入、銀行が発行する優先株劣後債の引き受け、劣後ローンなどに投入し、銀行の資本増強を図った。98年3月から2003年6月までに、金融機能安定化法に基づく1兆8156億円、早期健全化法に基づく8兆6053億円、預金保険法(危機対応)に基づく1兆9600億円の総額12兆3809億円が注入された。その後は、三菱東京フィナンシャル・グループ住友信託銀行横浜銀行、関西さわやか銀行が完済するなど返済も進み、返済額は8兆8617億円(07年8月公表分まで)。

(本庄真 大和総研監査役 / 2008年)

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株式公開用語辞典の解説

公的資金

政府財政資金の総称。公的資金は、政府の政策の一つとして、様々な場面で状況に応じて投入される。最終的に、国民負担である税金を利用する可能性があるものされている。公的資金が 投入された例として、「金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律(金融機能安定化法)」及び「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律 (金融機能早期健全化法)」に基づき、1998年に金融システムの安定化をはかる観点から、金融機関に対しておこなわれた。政府は、金融機関の発行した優先株式や劣後債を、整理回収機構を通じて購入することでこれをおこない、これによって金融機関は財務体質の強化を進めることができ、また株式市場での不安拡大も抑止することができたとされている。金融システムを安定化させることは、政府の役割として重要視されている。なぜなら金融システムを安定化させること自体が、社会を安定させる為の政策そのものであるからである。

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大辞林 第三版の解説

こうてきしきん【公的資金】

政府、日本銀行や地方公共団体などからの融資や出資のこと。 (1) 預金保険機構による破綻銀行救済のための資金贈与や融資、 (2) 日本銀行による特別融資、 (3) 都道府県による資金援助、 (4) 簡易保険・年金による株式買い、 (5) 一般会計による政府投資資金、 (6) 財投資金による低利融資などをいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公的資金
こうてきしきん

経営が悪化した民間金融機関や民間企業に、政府や中央銀行などが支援のために投入する財政資金(税金)をさす。金融危機や恐慌時に、ドミノ倒しのような金融機関の破綻(はたん)を避け、不況から脱却するため、公的資金の早期投入が有効とされる。ただ市場・競争原理に任せるべき企業経営を公的に支えることになるだけに、安易な投入は市場をゆがめ、モラルハザードを招くとの批判もある。公的機関が経営不安のある民間企業や民間金融機関の株式を購入する形で公的資金を注入する手法が一般的。金融機関が保有する債権や株式を買い取ったり、預金保険制度を活用して預金を保護したりする手法もある。公的資金を受けた企業は、政府による経営再建状況のチェックなど全面的に経営関与を受けることになり、経営の自由度は大幅に低下する。
 バブル経済崩壊後、日本では金融システム危機を未然に防ぐため、1992年(平成4)から合計51兆円の公的資金を投入。預金者保護、金融機関の資本増強、金融機関の保有株式や債権買取りなどに使用された。このうち最低でも約10兆円は回収できずに損失となることが確定しており、最終的に国民が負担することになった。バブル崩壊後、公的資金を早期に投入し、不良債権を最終処理すべきだとの議論があったのだが、1996年、住宅金融専門会社(住専)の処理を審議した国会(住専国会)で、公的資金投入に国民的批判が高まった。このため本格投入が遅れ、1998年からの金融危機や「失われた十年」を招き、結果として公的資金の投入規模が膨らんだと指摘されている。
 サブプライムローン問題を発端とする2008年(平成20)からの世界金融危機では、アメリカが金融安定化法に基づき、最大7000億ドルの公的資金枠を設け、銀行、保険会社、自動車会社などに資本注入や投融資を実施。イギリス、フランスなど多くの国が公的資金の投入を決めた。日本も、新しい金融機能強化法で金融機関向けに12兆円の公的資金枠を用意したほか、政府・日本政策投資銀行が経営の不安定な民間企業に出資する制度も設けた。[編集部]

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