グアナフアト(読み)ぐあなふあと(英語表記)Guanajuato

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グアナフアト」の意味・わかりやすい解説

グアナフアト
Guanajuato

メキシコ中部,グアナフアト州の州都。メキシコシティーの北西約 300km,メキシコ高原南部にあり,標高約 2080m。 1554年スペイン人によって建設され,16世紀には北西のサカテカスボリビアポトシと並ぶ銀採掘中心地として発展。 1810年メキシコ革命運動の指導者 M.イダルゴ・イ・コスティリャの率いる軍隊侵攻,激しい闘争ののち陥落し,略奪,破壊された。さらに 1822年洪水に襲われ,多くの富裕階級の人々が去った結果,銀の生産量が著しく減少し,市は急速に衰退していった。しかし 1930年代以降観光業の発展と,連邦政府による州の農業・鉱業部門への援助により徐々に回復。典型的なスペイン植民地風の都市で,聖ディエゴ聖堂 (1663) ,聖フランシスコ聖堂 (1671) などかつての富を反映した美しい建築物が残る旧市街は,1988年旧銀山とともに,世界遺産の文化遺産に登録。グアナフアト大学 (1732) 所在地。人口 11万 3580 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グアナフアト」の意味・わかりやすい解説

グアナフアト
ぐあなふあと
Guanajuato

メキシコ中部の都市。グアナフアト州の州都で、メキシコ中央高原の標高2050メートルに位置する。人口7万4874(2000)。16世紀に金と銀の鉱山町として発展した。いまも町全体が当時の名残(なごり)をとどめており、1988年には町の周囲の銀鉱山とともに、世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。芸術の町として知られ、有名なフアレス劇場、優れたバロック建築のサン・ディエゴ教会、グアナフアトの守護聖母を祀(まつ)る壮麗なカテドラルのあるパス広場、旧穀物貯蔵庫のアロンディガ・デ・グラナディタス(現州立博物館)などがある。またメキシコ有数の名門大学グアナフアト大学のほか、パンテオン(市営墓地)には、200体以上のミイラを公開するミイラ博物館がある。

[高木秀樹]


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