サカテカス(読み)さかてかす(英語表記)Zacatecas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サカテカス」の意味・わかりやすい解説

サカテカス
Zacatecas

メキシコ中部,サカテカス州の州都。メキシコシティーの北西約 500km,西マドレ山脈南部北東麓,標高約 2250mの深く狭い谷にある。この地域で銀鉱が発見されてから2年後の 1548年に,その採掘中心地として建設され,1585年市となった。 19世紀までに周辺の鉱山は世界の5分の1を占める銀を生産するまでに開発された。現在も鉱業中心地であるが,同時に周辺の農業地帯の商工業中心地でもある。美しい彫刻が施されたファサードで有名な大聖堂 (1612~1752) を中心とする旧市街は,1993年世界遺産の文化遺産に登録。サカテカス自治大学 (1832) 所在地。南南西約 45kmには広大なインディオの集落跡チコモストクがある。アメリカ合衆国との国境の町シウダードフアレスとメキシコシティーを結ぶ幹線道路,鉄道が通り,モンテレイとグアダラハラを結ぶ道路と交差する。人口 10万 8528 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サカテカス」の意味・わかりやすい解説

サカテカス
さかてかす
Zacatecas

メキシコ中部、サカテカス州の州都。メキシコ市の北611キロメートル、標高2422メートルの高原に位置する。人口11万3947(2000)。周辺は典型的な乾燥地域で、とくに北部はエル・サラードとよばれる内陸砂漠地域である。国道45号、41号両線の交点に位置する交通の要地で、1546年スペイン人トロサによる銀山の発見以来、銀、金、錫(すず)を産出する鉱山町として発展した。町は卓状丘の山麓(さんろく)に位置し、バロック様式の聖堂や教会がある歴史地区は1993年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[高木秀樹]

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