ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グエン・バン・チュー」の意味・わかりやすい解説
グエン・バン・チュー
Nguyên van Thieu
[没]2001.9.29. ボストン
ベトナムの政治家。 1945年ベトミン (ベトナム独立同盟会) に参加したが,48年フランス軍に入り訓練を受けた。 63年 11月当時のベトナム共和国 (南) のゴ・ジン・ジェム政権打倒クーデターに参加。 64年グエン・カーン政権下で統合参謀本部議長,第4軍団司令官。チャン・バン・フォン内閣で第2軍団司令官。 65年ファン・フィ・クアト政権の副首相兼国防相。同年6月クーデター後,グエン・カオ・キ軍事政権成立とともに国家指導委員会議長 (元首) 。 67年9月新憲法に基づく大統領選挙でキ首相と組んで大統領に当選した。その後副大統領となったキ派の勢力を牽制し,69年8月腹心のチャン・チエン・キエム内相を首相とし内閣の主導権を掌握した。政府に批判的な議員や新聞などを弾圧し独裁的傾向を強化,71年 10月単独候補で大統領選挙を強行し再選された。しかし,75年4月解放勢力の大攻勢を前に辞任,台湾を経てロンドンに亡命,その後アメリカに移住した。
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