グエン・カーン(英語表記)Nguyên Khanh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グエン・カーン」の意味・わかりやすい解説

グエン・カーン
Nguyên Khanh

[生]1927.11.8. フランス領インドシナ,チャビン
[没]2013.1.11. アメリカ合衆国,カリフォルニア,サンホセ
ベトナム共和国(南ベトナム)の軍人,政治家。ベトナム北部の出身で,1954年のジュネーブ極東平和会議後,サイゴン政府軍の副参謀長となった(→インドシナ戦争)。中堅将校を中心とするズオン・バン・ミン一派よりも親米的な若手将校グループの筆頭格で,1964年1月のクーデターミンを倒したのち,アメリカ合衆国の助言に基づき国民評議会を頂点とする文民政府を組織し,首相兼軍事革命委員会議長に就任。1964年8月大統領になったが,10日目に辞職,首相に戻った。同 1964年10月総辞職,11月に三軍の総司令官。グエン・カーンを支持する若手軍人にはグエン・バン・チューグエン・カオ・キらがいたが,グループ内の派閥抗争,とりわけカトリック勢力と仏教勢力の分裂に悩まされ,1965年2月のクーデターで失脚し,移動大使に任命されたが事実上アメリカへ亡命した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

20世紀西洋人名事典 「グエン・カーン」の解説

グエン・カーン
Nguyen Khang


1927.11 -
ベトナムの政治家。
元・南ベトナム第3軍管区司令官。
ビンビン生まれ。
米、仏に留学。陸軍士官学校卒業。落下傘部隊将校をつとめる。1963年11月のクーデターには参加せず、’64年1月第一軍団司令官としてクーデターに成功。首相兼革命委員会議長。同年8月暫定憲法を制定。トンキン湾事件後、非常事態宣言、大統領兼国軍総司令官となるが、民衆反対で10日で辞任。’65年2月のクーデターで追放され、移動大使をつとめた後、フランスに移住

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android