日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラニット」の意味・わかりやすい解説
グラニット
ぐらにっと
Ragnar Arthur Granit
(1900―1991)
スウェーデンの神経生理学者。フィンランドのヘルシンキに生まれる。1919年ヘルシンキ大学医学部に入学、1926年生理学研究室の助手となり、翌1927年博士号を取得した。オックスフォード大学、ペンシルベニア大学で研究生活を送ったのち、1937年ヘルシンキ大学教授となった。1940年にストックホルムの王立カロリンスカ研究所に移り、1945年に新設のノーベル医学研究所の教授となり、1967年まで務めた。1963年から2年間、スウェーデン王立科学アカデミーの会長を務めている。
1920年から1947年まで視覚の生理学的研究を行った。微小電極法を用いて視神経の色光刺激に対する反応を詳しく観察し、網膜の感覚メカニズムや、視神経が光をどう伝えるかについて解明を試み、多くの成果を得た。1950年代以降は筋肉の運動について、その神経系の制御機構を研究した。1967年「視覚の生理学的・化学的基礎過程に関する発見」に対して、アメリカのハートライン、ウォールドとともにノーベル医学生理学賞を受賞した。
[編集部]