グリーンメール(読み)ぐりーんめーる(その他表記)green-mail

デジタル大辞泉 「グリーンメール」の意味・読み・例文・類語

グリーンメール(greenmail)

あらかじめある企業株式を買い占めておいて、企業に対し高額でその株式を引き取るよう迫ること。脅し・恐喝を意味する「ブラックメール」からの造語。グリーン(緑)は米ドル札の色から。→グリーンメーラー

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリーンメール」の意味・わかりやすい解説

グリーンメール
ぐりーんめーる
green-mail

英語で脅迫状を意味するブラックメールblack-mailを、米ドル紙幣green-backの緑色に置き換えた呼称。敵対的な買収を仕掛け、買い占めた株式を高値で買い戻すよう、発行会社もしくはその関連会社等に要求すること。要求に応じない場合には、発行会社にとって好ましくない第三者への転売をほのめかすなどの圧力をかけることもある。そうした行為を行う個人または組織は、グリーンメーラーgreen-mailerとよばれる。

 仕手筋(すじ)(投機を目的として短期的に大口の売買をする個人または集団)が、発行会社に対し、初めからプレミアムをつけた株価での株式買取りを要求する目的で、株式取得を進めるケースが一般的であるが、その場合にもM&A(合併・買収)を装うなど、買占め過程では本来の意図は秘匿されることが普通である。一方、当初は企業買収を目的に株式取得を進めていたものが、買収対象企業の抵抗などにより挫折(ざせつ)し、それまでに取得した株式の資金回収のためにグリーンメーラーに転じるようなケースもある。

 日本では、1989年(平成1)から1991年にかけて、アメリカの投資家ピケンズThomas Boone Pickens, Jr.(1928―2019)が、小糸製作所トヨタ自動車系列企業)に対して行った事例が著名である。

[高橋 元]

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M&A用語集 「グリーンメール」の解説

グリーンメール

株を買い占めて会社を乗っ取るぞ!」と対象企業の経営陣を脅し、自分の所有株式を高値で買い取らせるための一種の脅迫状。これを頻繁に行う人をグリーンメイラー (green mailer) と呼ぶ。日本でかつては小糸製作所の株式をトヨタに引き取らせたブーン・ピケンズ氏などが有名。

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