日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲイツケル」の意味・わかりやすい解説
ゲイツケル
げいつける
Hugh Todd Naylor Gaitskell
(1906―1963)
イギリスの政治家。オックスフォード大学を卒業後、ロンドン大学の経済学講師を経て、1945年に労働党下院議員。アトリー内閣で燃料動力相、経済担当相、蔵相を務めた。蔵相時代に軍事費増額のため社会保障費を削減し、労働党左派の反発を招いた。1955年アトリーの後を継いで党首に就任し、それまで党の基本政策となってきた国有化政策の緩和を主張するとともに、左派の唱える核兵器の一方的廃棄案に強く反対した。労働党右派を代表する彼の名と、保守党改革派を代表するバトラーの名とでつくられた「バツケリズム」Butskellismということばは、1950年代の両党間の接近を示すものとして使われた。
[木畑洋一]