コアズボ(その他表記)Antoine Coysevox

改訂新版 世界大百科事典 「コアズボ」の意味・わかりやすい解説

コアズボ
Antoine Coysevox
生没年:1640-1720

フランスルイ14世首席彫刻家。リヨンに生まれる。1657-63年ころ王立アカデミーに学ぶ。70年代終りころまでに,C.ル・ブランやJ.H.マンサールとともに,ベルサイユ宮殿で制作にたずさわる。ジラルドン風の古典主義的な作例生気を感じさせないが,〈戦争の間〉の《ルイ14世》(浮彫)は,この時代のバロック精神をよく伝える。肖像彫刻大コンデ,ル・ブランなど)においては,性格描写にすぐれる。この意味では後代のウードンの先がけと言える。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 三郎 木村

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コアズボ」の意味・わかりやすい解説

コアズボ
こあずぼ
Antoine Coysevox
(1640―1720)

フランスの彫刻家。リヨンの木彫職人の家に生まれる。17歳のときパリに出てルイ・ルランベールのもとに修業。一時期リヨンに帰り、1676年アカデミー会員に迎えられパリに出、やがてシャルル・ルブランのもとでベルサイユ宮殿の装飾彫刻に従事、鏡の間、戦争の間、大使の階段などのストゥッコ装飾を行った。とくに戦争の間の『ルイ14世の栄光』や大使の階段の彫刻(ルイ15世時代に破壊)は、ベルサイユの彫刻のみならず、フランス・バロック彫刻を代表する。また同宮殿庭園にも数多くの作品を残している。ルブランの死後、彼の装飾彫刻はシャトー・マルリにおいてより自由な想像力が発揮された。しかし彼の本領は、なによりも『ルイ14世』(ルーブル美術館)などの肖像彫刻にみいだされ、その個性的相貌(そうぼう)の観察や心理的表現は、ウードンたちの先駆をなしている。

中山公男

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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