ジラルドン(読み)じらるどん(英語表記)François Girardon

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジラルドン」の意味・わかりやすい解説

ジラルドン
じらるどん
François Girardon
(1628―1715)

フランスの彫刻家。トロワに生まれる。若くしてセギエ枢機卿(すうききょう)の庇護(ひご)を受けてローマに留学し、帰国後認められてルブランの下でベルサイユ宮殿の各種の装飾に従事する。『ニンフにかしずかれるアポロン』(1666~75)、『プロセルピーナの略奪』(1694~99)などの群像彫刻は、ベルサイユの庭園を飾る彼の代表作である。ルイ14世、コルベール、ルブラン時代のベルサイユ古典主義のもっとも忠実な実践者であったジラルドンの作品は、ヘレニズム彫刻の模倣であり、また彼のアポロンは「ベルベデーレのアポロン」の引き写しである。肖像彫刻や墓碑も数多く制作した。その代表作にソルボンヌ大学聖堂の枢機卿リシュリューの墓がある。パリに没。

中山公男

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジラルドン」の意味・わかりやすい解説

ジラルドン
Girardon, François

[生]1628.3.17. 〈洗礼〉トロワ
[没]1715.9.1. パリ
フランスの彫刻家。マキシエール,F.アンギエに師事。宰相セギエに見出され,その保護を得てイタリア留学。 1650年頃帰国し,ルイ 14世の宮廷彫刻家となり,ル・ブランを助けてベルサイユをはじめフォンテンブロー,チュイルリーなどの宮殿の装飾に従事した。主要作品『ニンフの水浴』 (1668~70,ベルサイユ宮殿) ,『リシュリューの墓』 (75起工,ソルボンヌ聖堂) 。

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