改訂新版 世界大百科事典 「コドコド」の意味・わかりやすい解説
コドコド
kodkod
guina
Felis(Leopardus)guigna
西半球でもっとも小型の食肉目ネコ科の哺乳類。チリ,チロエ島およびアルゼンチン西部に分布する。体長39~52cm,尾長17~23cm。耳介は先が丸く,その後面が黒く中央に白斑があり,体に黒色の斑点があるところは対馬などのヤマネコに似るが,胴と四肢が短くずんぐりしていて,尾に黒色の横帯が基部近くまでたくさんある。体は黄褐色~灰褐色で直径1cm,またはそれ以下の小さくて丸い黒色の斑点が密にあり,下面は白色に近い。しばしば全身黒色のものがある。歯はふつうのネコ類より1対少なく28本のことが多い。灌木や林が点在する草原や森林にすみ,木のない草原や乾燥地にはいない。夜行性,樹上生といわれるが,飼育下では昼間活動し,巧みに木に登るがおもに地上で行動する。主食は小獣で家禽(かきん)も襲う。群れでニワトリを襲った報告がある。寿命は飼育下で11年。まれな種で習性はよく知られていない。
執筆者:今泉 吉典
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報