コロナ観測所(読み)コロナかんそくじょ(その他表記)corona observatory

改訂新版 世界大百科事典 「コロナ観測所」の意味・わかりやすい解説

コロナ観測所 (コロナかんそくじょ)
corona observatory

皆既日食時以外でも,太陽コロナ観測をすることができる観測所地球大気による散乱光の少ない空気の澄んだ高山に設けられる(表)。コロナグラフを使ってコロナ特有の輝線の強さを測ったり,コロナ光の偏光を測り,コロナ中の温度密度などを求め,コロナの物理的構造を調べている。日本では,乗鞍岳の一峰摩利支天岳山頂に文部省国立天文台付置の乗鞍コロナ観測所がある。
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百科事典マイペディア 「コロナ観測所」の意味・わかりやすい解説

コロナ観測所【コロナかんそくじょ】

太陽コロナの状況常時観測することのできる観測所。観測にはコロナグラフを利用するが,コロナの光度が低いため空気中の塵埃(じんあい)等による散乱光により消されてしまうので,空気が希薄で清浄な高山に設置される。現在世界中に十数ヵ所のコロナ観測所がある。日本では乗鞍岳の摩利支天岳頂上に観測所(乗鞍コロナ観測所)があり,1949年に観測を開始した。
→関連項目クライマックス

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロナ観測所」の意味・わかりやすい解説

コロナ観測所
コロナかんそくじょ
corona observatory

気象条件がよく大気層の薄い高山山頂で,コロナ観測用の特殊望遠鏡であるコロナグラフを備えた天文台。 1930年フランスの B.リオにより,ピレネー山中のピク・デュ・ミディ (2860m) に建てられたのが最初。その他スイスのアローザ,ドイツのベンデルシュタイン,オーストリアのカンツェルヘーエ,アメリカのクライマックス,サクラメントピーク,日本の乗鞍山摩利支天岳 (2876m) の計7ヵ所で規則正しい観測が行われている。いずれも大気による散乱を避けた山頂に建てられている。

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