コロンボ計画ともいう。1950年1月にセイロン(現,スリランカ)で開催されたイギリス連邦外相会議により設立が決定された経済協力機構であり,本来,イギリス連邦の枠内で域内先進国からの資金拠出を基盤に,資金的,技術的に域内(南アジア,東南アジア)発展途上国を援助し,その経済開発を促進しようとしたものである。組織としては,最高意思決定機関の協議委員会(年1回年次会議を開催)と,その下部機関としての技術協力審議会(援助計画の実施機関で,スリランカ駐在の各国代表により2~3ヵ月ごとに開催),および事務局(コロンボ)がある。50年9月にロンドンで開催された協議委員会において,イギリス連邦諸国の経済計画についての報告書が〈南および東南アジアにおける協力的経済開発のためのコロンボ・プランThe Colombo Plan for Co-operative Economic Development in South and South-East Asia〉としてまとめられ,以後この経済協力機構はコロンボ・プランと呼ばれるようになった。設立当初,加盟国はその趣旨から当然イギリス連邦諸国に限定されていたが,50年9月のロンドン会議には原加盟国に加えて東南アジアの5ヵ国がオブザーバーとして参加し,51年2月のコロンボ会議以後はイギリス連邦諸国以外の参加も認められるようになってイギリス連邦以外の東南アジア諸国が参加し,また51年にアメリカ,54年に日本が加盟することになった。現在,加盟国は24ヵ国,世界銀行,国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)など12機関がオブザーバー参加している。
コロンボ・プランの特徴は,加盟各国の2国間協定により援助が行われる点にあるが,その内容は,(1)発展途上国政府の開発プロジェクトに対する資金援助,穀物・肥料などの形態での商品援助,研究用機械供与等の資本援助,(2)技術研修員の受入れ,技術指導者の派遣,訓練用機械設備の供与等による技術援助,に大別されている。
執筆者:村上 敦
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