コロンボ計画(読み)ころんぼけいかく(英語表記)Colombo Plan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロンボ計画」の意味・わかりやすい解説

コロンボ計画
ころんぼけいかく
Colombo Plan

アジア・太平洋地域諸国における経済・社会開発を推進することを目的とする経済協力機構。1950年1月セイロン(現スリランカ)のコロンボで開催されたイギリス連邦外相会議で設立が合意されたもので、同年9月のロンドン会議でイギリス連邦諸国の経済開発計画が「南および東南アジアにおける協力的経済開発のためのコロンボ計画」として一つの報告にまとめられ、以後この経済協力機構はコロンボ計画(コロンボ・プラン)とよばれるようになった。翌1951年1月活動を開始したが、当初はイギリス連邦内の経済協力機構として構想されたため、加盟国はイギリス連邦内7か国であった。その後アメリカ、日本、東南アジアの国々が加わり、2009年現在26か国が加盟している。運営機関としては最高政策決定機関の協議委員会があり、加盟各国が相互に協議協力して、二国間協定に基づいて援助が行われるのを特色とする。人的資源の開発を中心に、農業運輸通信、社会施設などの援助、国家開発プロジェクトに対する資金援助、穀物肥料などの商品援助機械・輸送機器などの資本援助、および留学生・技術研修員の受け入れ、技術指導専門家・協力隊員の派遣、技術機材の供与などの技術援助が実施されている。

[秋山憲治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロンボ計画」の意味・わかりやすい解説

コロンボ計画
コロンボけいかく
Colombo Plan for Cooperative Economic Development in South and South-East Asia

1950年1月にセイロン (現スリランカ) の首都コロンボで開かれたイギリス連邦諸国の外相会議で提唱され,51年7月 12日発足した「南および東南アジアの共同経済開発のための計画」。当初の参加国はイギリス連邦諸国だけで,農業,運輸,通信,電力鉱工業に重点をおく総額 18億 6800万ポンドを必要とする6ヵ年計画として発足。その後日本 (1954) やアメリカが援助国として参加し,被援助国として東南アジア諸国が加わり,参加国数は 26ヵ国となっている。この計画には技術援助と資本援助があるが,全地域に対する一元的な総合計画があるのではなく,被援助国と援助国との2国間協定,あるいは世界銀行からの融資という援助の形態をとっている。また援助には政治的,軍事的条件をつけないたてまえで,そのためこの計画を推進する中央機関をもたず,参加国の代表による諮問委員会,技術協力審議会,およびその事務局が設けられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android