サアーリビー(読み)さあーりびー(英語表記)Abū Manūr al-Tha‘ālibī

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サアーリビー」の意味・わかりやすい解説

サアーリビー
al-Tha`ālibī, Abū Manṣūr `Abd al-Malik

[生]961. ニーシャープール
[没]1038. ニーシャープール
イラン生れの文学者,言語学者。アラビア語で多くの名著を残した。サアーリビーとは「狐の人」という意味で,若い頃,狐の毛皮を売っていたためといわれる。『時代のたぐいなきもの』 Yatīma al-dahrはその時代の名詩選で,不朽の名著。ことにアラビア語文学の全盛期にあたる 10世紀の文学活動の記録としての意義が大きい。単なる名詩選でなく,詩人たちの事績をもよく伝えている。このほか『言語学』 Fiqh al-lughaや,史上の人物たちの逸話集,名言集など多数の著書を残している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サアーリビー」の意味・わかりやすい解説

サアーリビー
さあーりびー
Abū Manūr al-Tha‘ālibī
(961―1038)

イラン系のアラビア語著述家。文学、歴史、伝記など50点に及ぶ著作があり、博識で知られた。狐(きつね)(サアーリブ)の皮を着ていたのでサアーリビーとよばれた。『ヤティーマッ・ダフル(当代独特のもの)』と略称される詩人の逸話・伝記集が有名。また、『ペルシア諸王史』は初期アラブについての伝承や、アレクサンドロス大王についての伝説を含み重要である。

矢島文夫

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ぐんまちゃん

群馬県のマスコットキャラクター。人間だと7歳ぐらいのポニーとの設定。1994年の第3回全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック群馬大会)で「ゆうまちゃん」として誕生。2008年にぐんまちゃんに改名...

ぐんまちゃんの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android