サイコ(その他表記)Psycho

デジタル大辞泉 「サイコ」の意味・読み・例文・類語

サイコ(psycho)

多く複合語の形で用い、精神霊魂に関する意を表す。「サイコセラピスト」

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精選版 日本国語大辞典 「サイコ」の意味・読み・例文・類語

さいこ

  1. 〘 名詞 〙 飯のことをいう。近世、人形浄瑠璃社会の隠語。さいこく。さいこほう。〔滑稽本・小野譃字尽(1806)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「サイコ」の意味・わかりやすい解説

サイコ
Psycho

1960年製作のアメリカ映画。アルフレッド・ヒッチコックが《北北西進路を取れ》(1959)と《鳥》(1963)の間につくった作品。三面記事的な実話をもとにして書かれたロバート・ブロックの小説が原作で,10年前に母とその愛人を殺害し,母の死体を墓から掘り出して死体といっしょに暮らしている息子の,〈異常心理〉による殺人事件を描いた白黒の〈スリラー映画〉,もしくは〈ショッカーshocker映画〉である。主演アンソニー・パーキンス。1955年から61年にかけテレビ映画シリーズ〈ヒッチコック劇場〉〈ヒッチコック・サスペンス〉の製作を手がけたヒッチコックは,劇場用映画をテレビ番組と同じ条件でつくる実験を試み,テレビのスタッフを使って製作費80万ドルでこの映画を仕上げたという。シェークスピアの芝居と同じように,映画は観客のためにつくられるべきだと考えるヒッチコックが,〈大衆エモーションを生み出すために映画技術を駆使する〉ことをみごとに達成して成功した映画であり,異常心理犯罪を扱った映画の代表作の一つである。〈もっとも視覚的でシネマティックな映画〉(ピーター・ボグダノビッチ)とも評価されている。原作の,シャワーを浴びていた女がとつぜんナイフで惨殺されるというイメージの唐突さだけで映画化に踏みきったといわれる浴室シーンは,わずか45秒ながらカメラ位置を70回かえて7日間かけ(赤い血を見せたくないため白黒にしたといわれる),〈女性の肉体タブーの部分〉はまったく見せずに,巧みなモンタージュで残忍さとエロティシズムを表現している。なお,この映画は極端な秘密主義のもとで製作が進められ,公開にあたってヒッチコックが,映写開始後は観客を絶対に入場させないことを条件にしたことも語りぐさになっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サイコ」の意味・わかりやすい解説

サイコ(映画)
さいこ
Psycho

アメリカ映画。1960年作品。アルフレッド・ヒッチコック監督の代表作。遠距離恋愛を続けるマリオン(ジャネット・リーJanet Leigh、1927―2004)は、仕事で大金を預かり、ふらふらと恋人のもとに向かう途中、モーテルで殺されてしまう。死んだ母親に精神を支配され、母の声の命ずるままに次々と女性を殺害する犯人像、モーテルでの凄惨(せいさん)な殺人シーンの表現、上映途中からの入場を監督が直々に禁じた公開法、テレビドラマの制作態勢を取り入れた少人数の撮影など、公開当時から話題に事欠かず、異常心理をふまえたドラマは「サイコ」という概念・言葉を普及させ、従来のサスペンス映画、怪奇映画の概念を変えた。共演アンソニー・パーキンスAnthony Perkins(1932―1992)。原作は、殺人鬼エド・ゲインEd Gein(1906―1984)の事件を題材としたロバート・ブロックRobert Albert Bloch(1917―1994)による同名のスリラー小説。音楽はバーナード・ハーマン。後に続編(『サイコ2』1998年、『サイコ3 怨霊(おんりょう)の囁(ささや)き』1986年)が製作されているほか、カラーのリメイク作品(『サイコ』1998年)も製作された。

[出口丈人]


サイコ(薬学)
さいこ / 柴胡

ミシマサイコまたはその変種の根を用いた生薬(しょうやく)で、日本薬局方名。

[編集部]

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デジタル大辞泉プラス 「サイコ」の解説

サイコ

①1960年製作のアメリカ映画。原題《Psycho》。アルフレッド・ヒッチコック監督によるサイコ・サスペンスの元祖。出演:アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、ジョン・ギャビン、ベラ・マイルズほか。アンソニー・パーキンス主演で「サイコ2」(1983)、「サイコ3」(1986)と続編が作られた。
②1998年製作のアメリカ映画。原題《Psycho》。①のリメイク。監督:ガス・バン・サント、出演:ビンス・ボーン、アン・ヘッシュ、ジュリアン・ムーア、ビゴ・モーテンセンほか。

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普及版 字通 「サイコ」の読み・字形・画数・意味

胡】さいこ

のぜり。

字通「」の項目を見る


蠱】さいこ

痼疾。

字通「」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内のサイコの言及

【怪奇映画】より

…いずれにしても,怪奇映画は50年代のSF映画の台頭につれて影を潜めるが,これは,放射能や科学実験による突然変異としての生物の巨大化(《放射能X》1953,《ハエ男の恐怖》1958,など)や,人間が縮小したため相対的に生物の巨大化と同じパニックに陥る(《縮みゆく人間》1957)といった設定で,つまりはSFがモンスターの肩代りをしたともいえる。
[1960年代以降]
 60年代は,毒々しい色彩効果によるエロティシズムとサディズムを加味したイギリスのハマー・プロ作品(テレンス・フィッシャー監督,クリストファー・リー,ピーター・カッシング主演《吸血鬼ドラキュラ》1958,等々)と,一連の〈エドガー・アラン・ポー物〉によって,異常心理がらみの幻想劇という独自のイメージを繰り広げたアメリカのAIP作品(ロジャー・コーマン監督,ビンセント・プライス主演《アッシャー家の惨劇》1960,等々)が活況を呈する一方,フランスではジョルジュ・フランジュ監督《顔のない眼》(1960),ロジェ・バディム監督《血とバラ》(1960)といったポエティックな怪奇幻想の心理劇がつくられたが,もっとも注目すべきはヒッチコックの《サイコ》(1960)という真にエポックを画する恐怖映画が生まれたことで,以後の怪奇,SF,恐怖映画のジャンルは,すべて〈サイコ以後〉の名でくくることも可能なくらい決定的に《サイコ》の,ヒッチコックの影響を受けることになる。ウィリアム・キャッスル監督《第三の犯罪》(1961),《血だらけの惨劇》(1964),ロバート・アルドリッチ監督《何がジェーンに起ったか?》(1962)から1970‐80年代の〈モダン・ホラー・ムービー〉(怪奇的なムードで話を運び,結末のどんでん返しを利かせたものが多い)に至るまで,そうである。…

※「サイコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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