モンタージュ(英語表記)montage

翻訳|montage

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンタージュ」の意味・わかりやすい解説

モンタージュ
montage

映画の「フィルム編集」のこと。特に無声映画時代に起こった,フィルム結合の際の美学的思想的問題に関する映画理論をさす。元来はフランス語で「組み立て」の意味。最初にこの語を使ったフランスの映画批評家レオン・ムシナックは,モンタージュとは映画にリズムを与えることである,と主張した。このようにモンタージュを映画の本質論としてとらえる考え方は,同時期にソビエト連邦でも論じられた。フセボロド・イラリオノビッチ・プドフキンは各ショットを結合させて「映画的現実」をつくりだすことがモンタージュであると考え,技術論の延長線上でとらえたが,セルゲイ・ミハイロビッチ・エイゼンシュテインは二つのショットの衝突葛藤により観念が生じることを期待するモンタージュ理論を展開。唯物弁証法(→弁証法)の原理に対応させてとらえたエイゼンシュテインのこの概念はのちの映画理論に大きな影響を及ぼした。

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