フランスのカトリック司教で聖人。貴族出身で教会博士。説教に優れ、カルバン派の勢力の強いシャブレーで多くの改宗者を出し、反宗教改革運動に大きな影響を与えた。教皇からの枢機卿(すうききょう)就任要請も断り、生涯ジュネーブ司教として聖なる生活を送ったので、教区のみならずフランス全土にも大きな影響を与えた。彼は、神に対する愛が宗教生活の根本であることを説いた。同時に、豊かな情操を養う必要性を唱え、ヒューマニズムをキリスト教教育に最初に導入し、神によって創造されたものを正しく評価し、それらを喜びをもって受容することを説いた。また聖女シャルタルJeanne de Chantal(1572―1641)と協力して、女子サレジオ修道会をつくった。フランス読みでフランソア・ド・サールともいう。
[門脇佳吉 2017年11月17日]
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