サワオグルマ(読み)さわおぐるま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サワオグルマ」の意味・わかりやすい解説

サワオグルマ
さわおぐるま / 沢小車
[学] Tephroseris pierotii (Miq.) Holub
Senecio pierotii Miq.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎は直立し、高さ30~60センチメートル。葉はへら形で厚く、下部の葉には柄があるが、上部の葉は無柄で茎を抱く。茎や葉に白い毛が多い。5~6月、茎頂にやや散房状に多数の頭花をつける。頭花は舌状花管状花とからなり、開花直径が3~5センチメートルと大きく、黄色で美しい。痩果(そうか)は長さ約4ミリメートルで無毛。山野湿地に生え、本州から沖縄にかけて分布する。

[小山博滋 2022年2月18日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サワオグルマ」の意味・わかりやすい解説

サワオグルマ(沢小車)
サワオグルマ
Senecio pierotii

キク科の多年草。本州から沖縄にかけての山間の湿地に生える。高さ 50~80cmとなり太くて中空の茎はほとんど分枝しない。長さ5~10cmの三角状披針形の茎葉厚みがあり,柄はない。根葉は長い柄のあるスプーン形で,柄にはひれ状の翼がある。4~6月頃,径 3.5~5cmの黄色の頭状花を開く。舌状花は十数個が外周に並び,中央には多数の管状花がある。

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世界大百科事典(旧版)内のサワオグルマの言及

【サワギク(沢菊)】より

…別名のボロギクは,この冠毛がぼろくずのように見えるところからつけられた。 サワオグルマS.pierotii Miq.(イラスト)は本州から琉球にかけて分布する日本固有の多年草。花時にも根出葉があり,日当りのよい山間部の湿地草原に生える。…

※「サワオグルマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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