イタリアの医師、哲学者。トリエステ近くのイストリア島の生まれ。父は砲兵下士官。14歳でパドバ大学に入学し、7年間、医学と自然哲学を学んだのち、パドバ王マクシミリアンの求めに応じ、開業した。1611年から1624年までパドバ大学の医学教授を務めたのち、ベネチアの開業医の顧問となった。彼は近代の物質代謝学の創始者として、皮膚呼吸や肺呼吸による不感蒸散による体重減少を計測した。また二つの有益な器具、すなわち温度計と時計を臨床医学に導入したことで知られている。サントリオは当時、第一級の科学者ガリレイとの交際があり、彼を通じてこの二つの器具のことを学んだと考えられている。そのほか膀胱(ぼうこう)結石をとる套管(とうかん)針やジフテリア患者用の気管カニューレをデザインした。著書に『警句』Aphorisms(1614)がある。
[中山 沃]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
…医師たちの自然科学研究で,対象を人体に向けたものも少なくない。イタリアのS.サントリオは,体温計,脈拍計,湿度計などを工夫し,皮膚呼吸を実測しようとしたが,うまくいかなかった。しかし,計測を方法として医学に導入しようとした点は注目される。…
※「サントリオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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