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不感蒸散 ふかんじょうさんinsensible perspiration

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

不感蒸散
ふかんじょうさん
insensible perspiration

発汗のように意識されるものは除外して,自覚されない人体水分の発散をいう。不感蒸散は皮膚と気道粘膜から常時行われており,成人の常態では1日平均1l内外の水分が蒸発している。このことを初めて指摘したのは,医物理学派の先駆者,イタリアの S.サントリオである。

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栄養・生化学辞典の解説

不感蒸散

 不感蒸泄ともいう.汗でなく,皮膚の表面からの水分の逸散,肺からの水分の蒸散などをいう.

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世界大百科事典 第2版の解説

ふかんじょうさん【不感蒸散 insensible perspiration】

不感蒸泄ともいう。体重を鋭敏な体重計で測ると,その指針が時々刻々と体重の軽くなる方向に動いていくことが見られる。このような不断の体重減少はS.サントリオによって初めて観察された。生体成分(おもに水分)が気体の形で自身でも気がつかないうちに常時体外に放散されていることが原因であり,不感蒸散と呼ばれる。これには呼吸性不感蒸散皮膚性不感蒸散の2者が含まれる。呼吸性不感蒸散には,呼吸気道の粘膜面から水分が蒸発して呼気中に放出されるためのものと,呼吸により摂取された酸素よりも排出される炭酸ガスのほうが重いのでその差による体重減少との二つが含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

不感蒸散
ふかんじょうさん
insensible perspiration

発汗や排尿がまったくなくても、成人では1日約900ミリリットルの水分蒸発がある。このうち約3分の2は皮膚面からの蒸発で、残り3分の1が呼吸気道からの蒸発である。このような水分の蒸発は尿や汗などと異なり感覚されないので不感蒸散(不感蒸泄(じょうせつ))とよばれる。
 ヒトの場合、1グラムの水分の蒸発によって0.58キロカロリーの気化熱が体から奪われるので、1日の不感蒸散による熱喪失量は520キロカロリーにも達することとなる。この量は、安静時における物質代謝量の約3分の1に相当する。ヒトが体温を一定に保つためには、物質代謝によってつくられた熱と等しいだけの熱が身体から放散されなければならないわけで、不感蒸散はその一つの重要な手段といえる。かつて、カーニバルの扮装(ふんそう)で全身に金粉を塗ったため、不感蒸散が障害されて熱中死した例がローマ(1473)とフィレンツェ(1513)であったといわれている。[本田良行]

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世界大百科事典内の不感蒸散の言及

【体温】より

…皮膚は水をいくらか透過させるから,常時皮膚面から水分が蒸発している。これを不感蒸散というが,不感蒸散は,呼吸気道からの水分蒸発も含めて,発汗のない状態で熱放散の約1/4を占めている。環境温が皮膚温より高くなると対流・放射によって逆に体が加温される。…

※「不感蒸散」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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