サンルイス(読み)さんるいす(英語表記)São Luís

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンルイス」の意味・わかりやすい解説

サンルイス
São Luís

ブラジル北東部,マラニャン州州都ベレンの東南東約 500km,大西洋の湾入部にあるサンルイス島に位置する。島は狭い水路を隔てて本土と相対し,西のサンマルコス湾と東のサンジョゼ湾を分ける。 1612年フランス人が建設,当時のフランス国王ルイ 13世にちなんで命名されたが,1615年ポルトガル人が占領。植民地時代は貿易で繁栄。当時の面影をとどめる旧市街には,要塞や 17世紀の大聖堂など古い建築物が保存され,1997年世界遺産の文化遺産に登録。マラニャン州の主要港であるとともに,東のピアウイ州の州都テレジナと鉄道で結ばれその積出港ともなっており,ババスヤシ油,トウゴマ皮革,木材,綿花,砂糖,米などを積み出す。市内には製糖,ラム酒,綿織物,ババスヤシ油,マーガリンなどの工場がある。ブラジルの有名な詩人や作家が輩出,文芸中心地としても知られる。マラニャン大学 (1966) 所在地。ブラジル北部大西洋岸の主要港ベレン,フォルタレザ,レシフェなどと道路,沿岸水路,空路で結ばれる。人口 69万 5780 (1991推計) 。

サンルイス
San Luis

アルゼンチン中部,サンルイス州の州都。コルドバ南西約 300km,サンルイス山脈南麓にあり,標高約 750m。 1594年チリからやってきたスペイン人が建設。その後先住民アラウカノ族との戦いの間放棄され,96年再建されたが,19世紀なかばまでインディオとの抗争が続いた。周辺の農牧地帯の商工業中心地で,食肉食品加工,皮革,製材などの工業がある。ブエノスアイレスからアンデスを越えてチリにいたる鉄道とパンアメリカン・ハイウェーが通る。人口 12万 1146 (1991推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンルイス」の意味・わかりやすい解説

サン・ルイス(ブラジル)
さんるいす
São Luís

ブラジル北東部、マラニョン州の州都。大西洋に面したサン・マルコス湾とサン・ジョゼ湾との間の島に位置する港湾都市である。人口87万0028(2000)。やし油、米、塩などの輸出港で、近年マラニョン州の鉱山資源や農牧業の開発が進み、その基地として活気を帯びている。ブラジルと日本の合弁によるアマゾン・アルミ会社が近郊にある。1612年フランス人が建設し、今日でも植民地時代の雰囲気を強く感じさせる奴隷市場跡や多数の教会がある。その古い町並みは1997年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[山本正三]


サン・ルイス(アルゼンチン)
さんるいす
San Luis

アルゼンチン中西部、サン・ルイス州の州都。アンデス山脈の前山コルドバ山地に位置する。都市圏人口16万7204(2001)。1596年マルティン・デ・ロヨラの命により建設された。後背地では林・鉱産資源が豊富なほか、ウシ、ヒツジ、穀物、果実を産する。市内には食品加工やセメントの工場がある。

[今井圭子]

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