日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーバル」の意味・わかりやすい解説
サーバル
さーばる
serval
[学] Leptailurus serval
哺乳(ほにゅう)綱食肉目ネコ科の動物。サハラ砂漠以南のアフリカの草原に生息する。体長70~100センチメートル、尾長35~40センチメートル、体重8~9キログラム。体は四肢が細長く、黄土色の地に黒褐色の斑点(はんてん)がある。耳は三角形で大きく、尾は短い。単独で生活し、おもに夜行性で、木登りや泳ぎがうまい。走るのが速くジャンプ力もあり、低く飛ぶ鳥を前足でとらえることができる。主食はデバネズミなどの地下生のネズミであるが、ウサギ、ハイラックス、小形のレイヨウなども捕食する。1頭で一つの縄張り(テリトリー)をもつが、そこには1か所以上の水場がある。妊娠期間はおよそ74日で、安全な巣穴で1産1~3子、ときに5子を産む。巣穴は小山のように堆積(たいせき)した草の間や、イボイノシシやヤマアラシが捨てた穴である。寿命は飼育下でほぼ20年。ケニアでは、ダムにすみついて悪影響を及ぼす移入動物のヌートリアを捕食するため、害獣駆除に役だっている。
[今泉忠明]