ひづめ(蹄)をもつ草食獣とそれに近縁の哺乳類の総称。狭義には奇蹄類と偶蹄類だけを指すが,広義には絶滅した踝節(かせつ)類から分かれ出たと推定される長鼻類,ハイラックス類,カイギュウ(海牛)類,管歯類をも含める。管歯類以外はすべて植物食で,臼状の臼歯(きゆうし)をもつ。カイギュウ類を除けば前・後足のつま先で歩き,一般に四肢,とくにその下部が長く,走るのに適応している。一般に前・後足の指のうち,短くて地に着かないものは退化し,つめが靴状のひづめに変化したものが多い。四肢の運動はほとんど前後方向に限られるため鎖骨が退化し,後足の距骨(きよこつ)には滑車が発達する。四肢が長くなるにつれて,地上の食物を食べるために必要な首(ときに鼻)がのびる。しばしば角やきばが発達して護身用にされるが,多くは群れをつくり,早く走ることによって身を守っている。走る際は後肢で地をけって体を浮かせ,前肢で体を支えるため,進化したもの(奇蹄類と偶蹄類)では前肢の手根骨(しゆこんこつ)が,下列の1個の骨の上に上列の2個の骨が重なるように並んでいて,着地の際のショックを和らげている。
執筆者:今泉 吉典
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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