有蹄類(読み)ユウテイルイ(その他表記)ungulates

デジタル大辞泉 「有蹄類」の意味・読み・例文・類語

ゆうてい‐るい〔イウテイ‐〕【有×蹄類】

ひづめをもつ哺乳類奇蹄類サイ偶蹄類シカなどのほかジュゴンなどがある。

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精選版 日本国語大辞典 「有蹄類」の意味・読み・例文・類語

ゆうてい‐るいイウテイ‥【有蹄類】

  1. 〘 名詞 〙 哺乳動物うち、趾(あし)の先に蹄(ひづめ)をもつものの総称狭義には偶蹄目と奇蹄目だけを指すが、ゾウ長鼻目)やツチブタ(管歯目)などを含めることもある。〔生物学語彙(1884)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「有蹄類」の意味・わかりやすい解説

有蹄類 (ゆうているい)
ungulates

ひづめ(蹄)をもつ草食獣とそれに近縁哺乳類の総称。狭義には奇蹄類偶蹄類だけを指すが,広義には絶滅した踝節(かせつ)類から分かれ出たと推定される長鼻類ハイラックス類,カイギュウ(海牛)類,管歯類をも含める。管歯類以外はすべて植物食で,臼状の臼歯(きゆうし)をもつ。カイギュウ類を除けば前・後足のつま先で歩き,一般に四肢,とくにその下部が長く,走るのに適応している。一般に前・後足の指のうち,短くて地に着かないものは退化し,つめが靴状のひづめに変化したものが多い。四肢の運動はほとんど前後方向に限られるため鎖骨が退化し,後足の距骨(きよこつ)には滑車が発達する。四肢が長くなるにつれて,地上の食物を食べるために必要な首(ときに鼻)がのびる。しばしば角やきばが発達して護身用にされるが,多くは群れをつくり,早く走ることによって身を守っている。走る際は後肢で地をけって体を浮かせ,前肢で体を支えるため,進化したもの(奇蹄類と偶蹄類)では前肢の手根骨(しゆこんこつ)が,下列の1個の骨の上に上列の2個の骨が重なるように並んでいて,着地の際のショックを和らげている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「有蹄類」の意味・わかりやすい解説

有蹄類
ゆうているい
ungulates

ひづめをもった哺乳(ほにゅう)類の俗称で、奇蹄類と偶蹄類を含む。地上を走るのに適応した大形草食獣で、中手・中足骨が長く、第1指を欠き、臼歯(きゅうし)列が長い。古くは奇蹄類、偶蹄類のほか、原蹄上目に属する長鼻類、ハイラックス類、絶滅した顆節(かせつ)類、南蹄類などをも含めて有蹄目としたが、系統的には管歯類、海牛類、絶滅した束歯類、全歯類、クマイヌ類などをもこれに含める必要があるため、この分類は現在では用いられていない。

今泉吉典

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有蹄類」の意味・わかりやすい解説

有蹄類
ゆうているい
ungulate

四肢の指の爪が蹄 (ひづめ) になっている哺乳類をさし,奇蹄類偶蹄類がこれに含まれる。地上性の草食動物で,歩行は,四肢の指先を地面につけて歩行する指行性である。一般に奇蹄類は第3指 (中指) を中心に体重がかかり,指数が1,3本という奇数になっており,ウマ,バク,サイの類がこれに含まれる。一方,偶蹄類は体重が第3,4指にかかり,指数は2,4本という偶数になっている。イノシシ,カバ,ラクダ,キリン,ウシの類がこれに含まれる。

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