改訂新版 世界大百科事典 「シアールコート」の意味・わかりやすい解説
シアールコート
Siālkot
パキスタン北東端,ラービー川とチェナーブ川に囲まれたレチュナ・ドアーブ北部の都市。人口42万1502(1998)。パンジャーブとカシミールとを結ぶ交通路上の交易中心として,インド,パキスタンの分離独立まで栄えた。シク教の開祖ナーナクにちなむ聖地でもある。6世紀にフーナのミヒラクラの,また12世紀に北西インド亜大陸に侵入したゴール朝のムハンマドの根拠地となった。周辺からの小麦,米,サトウキビなどの農産物を集散する。イギリス領時代に建設された用水路を利用した人工林があり,その用材をもとにテニス用ラケット,クリケット用バット,ホッケー用スティックなどのスポーツ用品工業のほか,医療用品,刃物,製紙などの諸工業が立地する。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報